建築士に学ぶ、家の品質を確保するための工事写真の撮り方・テクニック

人も家も、見えにくい内面こそが大切です!!
品質を確保するのに有効な工事現場写真を撮るヒントとテクニック。

工事監理に写真記録は欠かせません。

それでは、建築士は、どんな点・プロセスに注目し、
工事現場の写真を記録し、工事監理報告を行っているのでしょうか?


ここに、我が家の設計監理者である建築士さんが、
工事監理のために撮った写真の記録CD-Rがあります。
(完成後の慰労会でプレゼントしてくれます)
画像

CD-Rに収められた写真は500枚以上あるため・・・^^;
すべての写真を載せることはできませんが、

新築後1年の施主が、勝手に建築士の仕事を読み解きます。

建築士に学ぶ、家の品質を確保するための
工事写真の取り方・テクニックとヒント
を、まとめました。


■施主が現場写真を撮るときの注意

現場に足を運ぶときは、事前に監理者に連絡をしましょう。

工事現場は危険です。
よくある事故は、釘を踏み抜いた、足場から落ちた、等です。

大工さんや職人さんが、軽々と登っていくのをみると
簡単そうに見えるのですが、彼らはプロですから。
足袋、安全靴、作業着、ヘルメット、技術と経験・・・
施主と装備も気合も違います。

オープンシステムの場合は、
施主のための工事中の補償制度が用意されています。
しかし、「監理者の案内の下での補償」という制約付です。

施主も、家づくりチームの一員です。
家づくりのチームのルールを守りましょう。


監理者は、施主の安全と立場を守るために、注意をすることもあります。
施主を思いやる監理者の注意に、きちんと耳を傾けてください。

(・・・私も勝手に誰もいない現場に行ったとき、
「連絡してくださいっ!」と注意を受けました・・・


■カメラ

建築士さんは、
「普及タイプのコンパクトデジカメ」を使用していました。

デジタルカメラは、写真の整理がしやすく
画像を拡大して見る事ができます。

ピントが広い範囲であう、シャッターを押すだけ
「安いコンパクトデジカメ」をオススメします。

描写力がある高額なカメラ(一眼など)は、
ピントがあっているところ以外はボケます。

工事写真の目的では、
安いデジタルカメラの方が使い勝手がいい
のです。

ピントが広い範囲であう、普及タイプのカメラ画像は
どの部分を拡大しても、あまりボケないので
施工状態を細かく確認することができます。


■何をどう撮るべきか?

まず、工程表(予定)を見てください。
施工中のところと、施工後のところ、目的を持って写真を撮りましょう。

できれば工事中に出向いてください。
以下、書類など職人に確認の際に、写真に収める必要があります。


【出荷票・伝票・建材の品質表示】
工事監理に必要な写真とは、工事現場の写真だけではありません。
ぜひ、工事中の伝票を写真に撮っておいてください。
設計図書どおりに、発注が行われているか、伝票を見れば明らかです。
工事中の伝票類は撮影しておくと、なくしても大丈夫、整理しやすいです。


例えば・・・
画像

・生コンクリートの出荷票:呼び強度(住まいの水先案内人さんへ)
                実際に打った生コンの品質チェック
・型番のチェック・地盤改良の固化材・浄化槽・外壁材料の伝票・・・etc

画像

・柱や構造材の品質表示:内装後はみえません。
 ホワイトウッドの集成材が怖かったので、
 オウシュウアカマツを使いました。値段は同じ・・・です。


例えば、家を支える擁壁の工事監理写真の様子は・・・
【コンクリート擁壁】

画像

・整地状態チェック

画像

・鉄筋の全体像
・配管との取り合いチェック

画像

・鉄筋の幅:定規を添えて確認(縦横)
・鉄筋の詳細:かぶり厚さを確保するスペーサー(横幅と下部)を確認
・生コンの出荷票:呼び強度、実際に打った生コンの品質チェック

画像

・生コン打設ベース
・立ち上がり鉄筋に付着したコンクリートの処理(ブラシ)

画像

・レイタンス処理は写真がないので、やってないかも?
・型枠作業(立ち上がり)

画像

・生コン打設(立ち上がり)
・生コンのミキシング

画像

・養生用シート掛け

画像

・型枠解体後の完成直後

画像

・コンクリートの出来上がり寸法を確認

一つの作業・製品ごとに写真が1つ以上あると、品質が明確にわかります。

なるべく広角で写真を撮ると、どこの写真かわかりやすいので
少し引いて撮るのが良いです。

画像

細かくなるときは、写真の中に黒板等で
位置がわかるよう表示して撮るのが良いです。

画像

配管はなるべく写真に収めましょう。
このように、どの配管が繋がっているか
名前を書いてあれば後でメンテナンスしやすいですね。

画像

金具やアンカーの固定にも注目しています。

画像

通気工法や小屋根裏換気は、
空気の入るところ、出るところ、その間・・・の通気が取れていることを
写真に収めて、確認します。
写真は、気密シートをめくって施工状態を確認していますね。



■工事現場写真の整理
画像

クリックで拡大し、文字が見えます↑
建築士さんは、日付と、工事写真の目的をファイルごとに整理しています。




■まとめ

「工事現場の写真を撮る」


言葉から受ける印象は、一見、誰でもできる作業のようですが・・・

実際に、プロの工事写真記録の一部を見ていかがでしたでしょうか?

建築士は単に写真を撮っているのではないのです。
ただ多く写真を撮っても、後でどこの写真なのか
わからなければ、意味がないし、撮った写真の整理も重要です。

また写真に収めるために、職人から伝票の提出を求めたり、
測量を手伝ってもらったり、施工の指導をしたり、
建築士は職人とコミュニケーションをしています。
そのうえで、構造や書類作成、説明に必要な写真を撮っています。

つまり、監理者は工事を行っている時間帯に
監理写真を撮ることを心がけているのです。

正直、私は、一般人には真似できないと感じます・・・。
画像

建築素人(私)のダメ写真の例1↑(笑)
筋違の金具とか、中途半端に切れていて
肝心なところが全く写真に入っていない・・・orz
経験のない素人が、どんなに情報を集めたとしても、
建築の知識、職人とのコミュニケーション技術は、プロと雲泥の差があります。
単に工事写真を多く撮るだけでは、品質確認の使い物になりません!

「建築士による第三者監理なんてなくても、
施主が、頑張って、写真を撮れば大丈夫!」
という意見も見かけます
が、
私は、はっきりNO!だと言いたい・・・。

素人がミス施工の写真を撮ったとして、
間違いに気が付くでしょうか?工事が進んでいくのに間に合うでしょうか?

家の施工は非常に多くの作業・工程を伴うので・・・
そもそも「品質という面で素人が監理できるか?」というのは、
建築の経験がない・少ない施主では・・・本当に無茶な話なんです。


そして、「現場監督がいればいいんじゃないの?」という方もいますが
現場監督は、建築士でない場合があります。

工事管理は現場監督が行えますが、
品質に関わる工事監理は建築士でないと行えません。
管理と監理の違い

「設計した建築士」でなければ、
その建築の工事のポイントや注意点まで目が行き届きません。

手間をかけて、設計した建築物に愛着を持ち
施工チームとの会話を楽しみに
工事現場に足しげく通ってくれる、
建築士による監理ほど、しっかりした監理はありません。

まるで我が子の成長写真を撮るように
ポイントを抑えて、記録していることがわかります。

ポイントを抑えた写真と記録が数多くあれば、
いつでも内面(プロセス)から、家の品質を理解できます。


新築時に可能だったら、
設計した建築士による監理をやってもらうのが
一番、コストパフォーマンス的には良いです。

設計した建築を、喜んで監理してくれる有能な建築士さんは、
貴方の地域にも、きっといらっしゃいます。
設計事務所や工務店を探して、
施主に渡している工事監理報告書を見せてもらってください。

工事が始まったら、工事監理でたくさん写真を撮ってもらえますが、
それに加えて、ぜひ施主自身も写真を撮ってみてください。
施主による写真記録はメインではなくサブとして活用します。
疑問に思ったことを残さないように、
監理者の建築士にメールで問い合わせるのにも便利です。

国の法律を守り、施主と職人の立場を守る
建築物のプロフェッショナル
有資格者である建築士を、最大限活用しましょう。

将来、家のメンテナンスにも役立ち、資産価値を高めるのは
建築士による工事中の写真記録です。


・・・写真家によるデジタル一眼レフのキレイな完成写真は素敵・・・
でも、建築士によるコンデジで撮った工事写真は、もっと大切です!



~オープンシステムに限らず、
 設計事務所、工務店、住宅メーカーで
今、頑張っている日本の建築士を応援します!~



・・・我が家のWeb工事報告・・・
ウチの設計監理者、アトリエジニアス建築士の山本先生は、本当に建築が好きなんだなぁと、その仕事への没頭ぶりにビックリしました。多くのことを教えていただき、満足度が高い楽しい家づくりでした。丁寧で優しいだけじゃなくて、思いやりが深い方で、OB施主や職人の皆から慕われる良い先生です。
Web工事報告「回遊する家:オープンシステムで建築

"建築士に学ぶ、家の品質を確保するための工事写真の撮り方・テクニック" へのコメントを書く

お名前
ホームページアドレス
コメント